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施工事例

AICHLERの建売住宅の話

写真家さんに撮っていただいたデータが届いたので、たまには違うお話しを。

AICHLERで造った建売住宅についてです。

元々ガレージになっていた1つの土地を2つに割って建てました。
2つ並ぶので、それぞれ趣向を変えて造りました。
とはいっても、全く共通部分が無いばらばらのものにするのもおかしいので、共通ポイントも決めてからの作業です。

1.共通ポイント

内装はバラバラでも気にならないので、共通点は特に定めませんでした。
ということで、外装の共通点です。
・道路に面する外壁は塗装を入れること。
・バルコニーの角はRにすること。
・アクセントに飾りの窓枠をつけること。
・ポストは同じ種類の色違いにすること。

で、できたのがこんな感じです。
なんとなく共通していて、でも色のテイストなどはぜんぜん違う感じに仕上がりました。
多区画の分譲現場で、ほとんど同じサイディングの家が並ぶのが嫌だったので、こんな感じにしてみました。

2.プランについて

建売の2階建て4LDKで考えた時、よっぽど余裕のある土地でない限り、
2-1 LDK・水まわり + 4部屋
2-2 LDK・1部屋 + 3部屋・水まわり
のどちらかのパターンになります。
ですので、今回は両方のパターンで造りました。
どちらが絶対にいい!ということはなく、どちらにもメリットがあります。

2-1.LDK・水まわり + 4部屋

LDKで家族が集まって過ごすことの多い家族に向いています。すべてが1フロアで終わります。
寝るときにだけ部屋を使う家族にはおすすめです。
また、キッチン・洗面(洗濯)が同じフロアなので、子供がお風呂に入っているのを確認しながら、
同時に他の家事をこなしやすいメリットがあります。
アパートやマンションに近い感覚で生活できるのもこちらです。

2-2.LDK・1部屋 + 3部屋・水まわり

子供が小さい間なんかは、特におすすめです。
オムツやおもちゃ、お世話道具など意外に散らかるものが多い時。
別にもう一部屋あると、そちらにまとめておけば、来客時なんかも楽チンです。
また、昼寝や個室で子供だけで寝かせるには未だ心配な時期。仕切れる別部屋は便利です。
もう一つ、水まわりが2階ならばバルコニーに洗濯物をそのまま干せるメリットがあります。
重たい洗濯物を持って階段を上がるのはなかなか大変ですもんね。

3.内装について

建売にしても注文住宅にしても、コストに制限があります。
闇雲に高価な材料を使えるわけではありません。

そんな中で、比較的ローコストでできるのがアクセントクロス。
最近では、クロスメーカーさんから様々な柄や色が出ています。
プリント技術の向上によって、一瞬見ただけでは本物と見間違うぐらいのものまで。
けれど、アクセントクロスだけでは物足りない!と思ってしまうのです。

では、ただタイルや石を貼ればいいのか?
それも違うと思います。

大切なのは、バランスだと思います。
メリハリを利かせて、クロス・タイル・石・板など・・・それぞれの得意な部分を活かしてアクセントをつける。
逆に、全くアクセントをつけない部分も忘れてはなりません。

と、偉そうな前置きはさておいて。
まず、ポイント色を決めます。
これは以前にもにもお話ししたかと思いますが、色を増やしすぎると生活の中でどうしても増えるものとあわせると、ごちゃごちゃした印象になってしまうので、床と建具にあう色を1、2個選定します。

1ー1.A号地

フロアが茶色、建具が白。これにポイント色は、ネイビーとレンガ色。

玄関ホールには、どうしても使ってみたかったテーパータイル。
素材に特徴があるので、色は白にしました。
職人さんの丁寧な仕事ぶりに、圧倒されます。

階段の手すりは壁にしてしまうと、圧迫感が出てしまうのでフラットバーにしました。
色は、外観の窓枠と同じ色。
外と中の共通点を作りました。

で、中に入ると・・・
キッチンの腰壁とダイニングの壁に板を貼りました。
節の入ったザクッとした感じの無垢の杉板。
そこに外壁のイメージに近いネイビーのクロスをあわせました。
右手にこっそり見えているのは大胆な柄のクロスです。
柄のクロスは個性が強いので、色はグレーといった落ち着いた色を選びました。

無垢材はフローリングもそうですが、メンテナンスは必須です。
けれど、手間がかかる分愛着も湧くかと!思っています。
T様、楽しんでくださいね!!

1ー2. B号地

こちらは、オークのフロアとブラックの建具。ポイント色はグリーンにしました。

玄関ホールはミニマムサイズなので、少しでも抜け感がでるようにはめ殺しのガラスを入れました。

お好みでウォールステッカーやピンストライプで描いてもいいかもしれませんね。
その周りは写真ではわかりにくいのですが、アクセントクロスを。
白ベースの柄のあるタイプです。
色が濃いと圧迫感がでるので、ミニマムなスペースには、白や淡い色がいいと思います。

次にリビングです。
玄関からの扉を開けるとすぐに見える面に石目のタイルを貼りました。

ポイント色とは違う色を入れる場合は、基本の建具色やモノトーンの中で選ぶと色が増えすぎません。
今回のタイルはグレーとブラウンベース。
キッチンに貼るタイルの明度と合わせて、落ち着いた感じにしました。
色味の合わせ方は、また近いうちにお話しできればと思います。

キッチンのタイルは、ニッタイ工業のもの。
ポイント色のグリーンで選びました。

いつか使おうと自分の中でストックしていたものです。
焼き物の色ムラが表現された、国産のタイルです。
モザイクすぎない細かさが絶妙に私の好みです。
玄関ホールにも貼った白のアクセントクロスを一部貼ってあわせました。

ちなみに、この横にある黒のスリットは、トイレの扉を開けた時ダイレクトにLDKから見えないようにするためのもの。
建具の黒に合わせて着色しました。

 

以上が、今回アイクラーで建てた建売住宅の細かいこだわりでした。
家は、ここからがスタートとなります。
家具やカーテンなど・・・。住んでからここにいろいろなものを追加して、生活することでどんどん変化して行くものだと思います。
傷や汚れは味です。
いろんな楽しい思い出を、この家で作って貰えたらいいなと思います。

T様、M様、よろしくお願いします!!!